毎日、特別養護老人ホームや、グループホームといった介護を必要とされる方々を対象に、鍼灸師として往診に行かせていただいております。

患者さんのお一人に脳梗塞から片麻痺になられ、歩行困難で車椅子の生活でしたが、往診に入るようになってから、ある時,施術の中で、脳・脊髄硬膜のリリースをしてから、麻痺側の肘を、他動的に曲げ伸ばしをし、今度はご自身の意志で動かしてみてくださいと促しました。するとなんと!?少し動いたのです!私は思わず「すごい!動かせるじゃないですか!」と叫びました。患者さんもびっくりしたご様子で、一瞬お顔が明るい笑顔に変わりました。

おそらく、今までご自身で、「この腕はもう麻痺しているから、動かないものなんだ。」と諦め思い込んで動かそうともしていなかったのでしょう。確かに、以前のように自由に、動かせるようなレベルのことではありませんが、この患者さんにとって、大きなことだったのです。心のスイッチが再び入ったのでしょう。小さな変化に喜びを見出し、少しでも残された能力を使えることに、感謝されている、そのような患者やさんの前向きで自由な心に、尊敬の念を抱かずにはいられません。

現在は、自由の効く右手と右下肢を支えに、立ち上がりが、できるようになりました。昔は4点杖で歩いておられたとのこと。手すりや杖での歩行までリトライすることができたら良いなぁ、、そうなれば、生活のなかで見える景色もまた変わるでしょうから。